へき地・離島における持続可能な地域医療提供体制の実現
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ICT(情報通信技術)・AI(人工知能)を駆使した地域医療の展開
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地域医療情報連携ネットワークの拡充
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医師の働き方改革・医療従事者の勤務環境の改善
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南海トラフ地震を想定した災害医療対策
愛媛県には、医療の確保が困難な「へき地」が存在するとともに、36の有人島があります。このような地域には、ICT(情報通信技術)を用いた遠隔診療やAI(人工知能)による診療支援システムを導入することで、医師不足や地域間偏在の問題を解消できる可能性があります。例えば、AIによる画像診断補助技術を用いることで画像診断の見落としを減らすことが期待できます。
医療機関同士で診療上必要な患者の医療情報を電子的に共有・閲覧することができるようになれば、患者の治療中の疾患や服薬内容を把握できるようになり、オンライン診療や在宅医療(往診・訪問診療)の効率的な運用が可能となります。また、地域医療の最前線で活躍する医療従事者を都市部の医療機関からICT端末(タブレットやスマートグラス等)を通して遠隔支援することができれば、幅広い領域の疾患にも対応することができるとともに、業務による身体的・精神的負担を軽減することにもつながります。
巨大災害に対する備えや、発生時の対応も求められています。2024年8月8日日向灘を震源とする宮崎県南部で最大震度6弱の地震が発生しました。同日、気象庁から南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表されました。政府は、南海トラフ地震について30年以内の発生確率が70~80%としています。地震や津波といった巨大災害発生時には災害医療と救護活動が重要です。停電とともに地上の通信インフラ網が途絶・輻輳したことで、現場での活動を困難にしたという東日本大震災の教訓から、地域医療の現場においても、非常用電源確保とともに衛星通信システムなどの非常用通信手段の整備・運用が重要な課題です。新しいデジタル技術と災害医療対策によって、「誰一人取り残さない」持続可能な地域医療提供体制を実現させます。